ケーシングとは、ソーセージを包む薄い膜のことです。
ソーセージはヨーロッパで発祥した時から、伝統的に豚肉や牛肉を挽き、スパイスを加えて豚・牛・羊などの家畜の腸に詰めて作られていたので、日本では「腸詰め」と呼ばれていました。
英語の「CASING」を「腸」と和訳したことから、当時はケーシングとは「腸」を指す言葉であり、そこから「ソーセージケーシング」という名称が広く使用されるようになりました。
現在はソーセージを製造する際に家畜の腸以外の素材を使用することもあり、ケーシングという言葉も、「腸(=ソーセージの袋)」というかつての意味から変化し、素材は異なっていてもハム・ソーセージを製造する際に使用する一次包装資材の総称となっています。
羊、豚などの腸は天然ケーシングと呼ばれています。自然のなかで育った羊や豚の腸は、色や太さがバラエティに富み、良い意味でバラつきがあります。薄くて丈夫である上に、通気性があり、熱による伸縮性も良いため中に詰める肉との密着性が高いのが特徴です。
この天然ケーシングで製造したソーセージの魅力は、天然ならではの自然な風味と、“プリッ” “パリッ”と弾ける歯ざわりにあります。天然腸の成分である動物性たんぱく質繊維は乾燥加熱すると固まる性質があるので、独特の食感が生み出されるのです。
歯ざわりを楽しむなら短時間のボイルがおすすめです。また、ポトフのようにじっくり煮ることでソーセージのうまみが味わえるスープになります。それ以外にも、網やフライパンで焼くことで香ばしさを楽しむことができます。
動物性タンパク質を主原料としてホース状に機械製造されたものをコラーゲンケーシングと呼びます。
コラーゲンケーシングの大きな特徴は経済性に優れていることと、品質ならびに供給の安定性です。工場で生産・管理を行うため、天然腸とは異なり、均一な形、食感の製品を作るのに適しています。また、天候や市場に左右されにくく、価格に影響が出にくいのも特徴です。食感が非常に柔らかく、食べた時の口残りが無いため、小さいお子様から年配の方まで食べやすいのが特徴です。
また、コラーゲンケーシングにより製造されたソーセージは曲がりが少なく、仕上がりが均一になるため、ホットドッグなどの惣菜パンにも適しています。
天然ケーシング、可食性のコラーゲンケーシングの他に非可食性のケーシングといわれるものがあります。
非可食性のケーシングはセルロースやパルプなどを主原料としており、ハムやサラミを製造する際に多く使用されています。これらは食品の製造過程、または食べる前にケーシングを剥離させます。
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